提案書とは、商品・サービスの購入を促すためのプレゼンテーションで使用するフォーマルな書式。
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提案書の概要
提案書は、対顧客への提案において、過不足なく検討事項への回答を盛り込み、かつ提案の形跡をしっかりと残すという名目で広く活用されています。BtoBでの活用が想起されますが、BtoCでも高額商材の場合は提案書を利用している企業は多いです。
提案書を作成するにあたっては、ヒアリングシートによる実態把握がセットとなることが一般的です。見込み客のニーズに対して具体的な解決提案を1対1の対応で整理し、それぞれ論理的な整合性をもたせることが第一歩となります。
提案書を提示する局面では、最終的に、見込み客に何かしらのアクションを促す必要があります。また、かしこまったフォーマットでの提案を受けることにより、新たなネックが出てくることも少なくありません。論理整合性とともに、情緒的なプレゼンテーションとなるよう、ストーリー立てて臨む必要があります。
一般に、紙芝居形式で順序よく作成していく場合と、ハイライト(またはサマリー)を表紙の次ページに置き、以降を1〜3枚で完結する説明ページ群とする形式があります。提案相手やシチュエーションにより選択してください。
提案書を導入すべきなのは
提案書は、中堅・大企業をメインターゲットとするBtoBビジネスの場合や、BtoCでも顧客に応じて柔軟にカスタマイズした高単価商材を販売する場合は特に有効です。BtoBにおいては、各階層(担当者‐担当者、役職者‐役職者など)のやり取りでは合意が取れていても、途中で行き詰まることが多く、最低限、提案内容は明文化しておく必要があります。
提案書ではなく、見積書だけを作成しているケースも多く見受けられますが、より成約率を向上させたければ提案書の導入をオススメします。盛り込む内容は、料金はもちろんのこと、ヒアリング内容と課題の確認・類似事例・解決策と見込める効果・お申し込みの流れとスケジュール・FAQ・提案有効期限・自社の概要などです。
ひと通り整ったフォーマットでの提案書が用意されれば、ないがしろにする訳にはいきません。逆に、あまり温まっていない状態でいきなり提案書を出してしまうと、売り込まれまいとする見込み客から距離を置かれる結果になりますので、段取りには注意が必要です。
良くも悪くも、シロ・クロがはっきりしてしまう局面を作ることになりますので、提案前に細かい論点を解消しておいたり、見込み客の温度感を高めたり、場合によっては根回しをしておいてもらう必要があります。理想は、事前にほとんどの意思決定が終わっており、提案書はただの確認資料、プレゼンテーションは儀式になっている状態です。
提案書の成功ポイント
提案書を導入の際は以下の点にご留意いただくと、成果が出やすいです。
①論点を網羅する:提案書の不足を後から補っている間に熱が冷めてしまう、というケースは多いです。提案書作成時は見込み客から聴取したものはもちろん、言外にある、ありとあらゆる論点を想定し、解消できる状況にしておきましょう。
②論理と情緒の共存:提案書は相手の社内稟議資料にそのまま使われるため、論理的整合性は不可欠です。しかし、相対する相手の行動を促すのは、感情によるところが大きいです。論理性を損なわないようにしつつ、情緒的な表現を盛り込んでおきましょう。
③ロールプレイを実施する:提案書を用意したら、ロールプレイを実施して、分かりにくい点や冗長な点はないかチェックしておきます。プレゼンテーションが分かりにくかったり、時間が長いと見込み客は飽きてしまいます。
④プランは3肢選択式にする:提案するプランが1つしかない状況は決定率が下がりやすいです。見込み客の状況に合わせた「竹」プランを軸に、上下の「松・梅」プランを作成して臨みましょう。
⑤まずやってほしい行動を明記する:プレゼンテーションの終盤では、意思決定ではなく、意思決定を前提とした行動を促します。購買意思が明確ならハードルが低い、と考えれる行動を、できればその場で、難しくても可能な限り早期に実行してもらいたいので、そうした内容を提案書内か、最低でも別紙に入れ込んでおきましょう。
提案書をほかの売りかたと比較
提案書を、よく比較される売りかたと並べてチェックしてみましょう。
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提案書の導入・運用・改善にあたっての注意点
提案書では、以下の点にご注意ください。
①生煮えで出さない:ノルマに追われて、煮詰まりきっていない状態で提案書を作成するのはやめておきましょう。時間はかかってももう一度ヒアリングを実施した方が、成約率・顧客満足度ともに上がりやすいです。尚、この場合の煮詰まるとは、自社目線ではなく、相手方が十分な前検討をしたと思っている状態です。
②コンプライアンスに留意する:ほとんどの提案書では、少なからず顧客の情報を含んでいると思います。くれぐれも紛失・流出等の事態が起きないように注意してください。別の顧客の提案書を送ってしまった、といった過誤が起きがちです。また、提案書に記載された内容は法令に則っているか、自社に法的文言を記載する資格があるかは必ずチェックしてください。
提案書の導入5ステップ
step.1 よくある論点を整理する
実際のセールスにおいて、論点となりやすい部分(購入の後押しとなる要因・ネックとなる要因など)を収集します。また、それらに対して過不足なく回答を準備します。
step.2 ひな形をつくる
論点によっては、どの顧客でも言えること、特定の顧客には言えることが出てくると思います。どの顧客でも言えることについては、統一的に作成し、特定顧客に対する部分だけ作り込めばいいようにしておきましょう。
step.3 ヒアリングシートとの整合性を確認する
実際の見込み客に対して、ヒアリングシートとの整合性を確認して、さらに内容を調整します。必要に応じてひな形ごと修正します。
step.4 プレゼンテーションで利用する
実際のプレゼンテーションで利用していきます。利用前には、社内でロールプレイをして、過不足がないかなどを検討しておいてください。特に、その場で答えられない質問への対応を練っておきましょう。
step.5 検証・改善する
提案の成否はもちろん、論点の見落としがなかったか、事前の段取りで疎漏がなかったか、想定していなかった質問が飛んで来なかったかなどを整理して、内容を改善していきます。
おまけ.スベらないダンドリシート
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提案書に関してよくあるご質問
Q.ランディングページではダメですか? |
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A.対象となる商材が異なるかもしれません。画一的なランディングページでは、見込み客にマッチした提案は出来ないため、ランディングページで十分成約できる商品・サービスの場合、提案書は必要ないでしょう。 |
Q.プロジェクターに投影してもいいですか? |
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A.OKです。ただし、手元に紙がないことで書き込みが出来ないというデメリットと、後で見込み客社内で印刷しなければならないという手間が発生します。プレゼンテーションは投影して実施しつつ、少なくともハイライト(サマリー)部分は印刷して配布しておくといいでしょう。 |
Q.提案できる内容が多岐にわたります |
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A.提案側が迷っていては、見込み客は意思決定できません。複数ある選択肢の中から1商材(3プラン)に絞り込んでください。情報が不足しているのであれば、再度ヒアリングをする必要があります。 |
Q.提案後のフォローができていません |
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A.提案書に、見込み客にとってほしい行動とその期日を明記してください。「提案中」というステータスのほとんどで、見込み客は検討自体していません。行動と期日を明確にすることで、「シロ・クロ」がはっきりします。 |
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