セミナーとは、商品・サービス販売のきっかけとして、または購入後のアフターケアのために、見込み客(または既存客)を特定の場所に集めて実施する説明会・勉強会のこと。オンラインで実施するウェビナーもある。
|売りかた大全集
セミナーの概要
ターゲット層が知りたそうな話題、困りごとの解決や、新商品の発表、既存客に向けた使いこなし術など、幅広いテーマについて扱うことができます。また、外部講師を呼んだり、自社のロイヤルカスタマーを呼んだりするなど、登壇者も幅広に考えることができ、更には、商工会や自治体主催のセミナー登壇者として自分が呼ばれるパターンもあります。
1対多であるため、聴講者からすると「売り込まれている」感覚が薄れ、拒否感を感じにくく、参加しやすいと言えます。また、自社からしても、1人でいっぺんに、たくさんの見込み客にアプローチできる上、セミナーで話された内容は一定の権威付けをされているという認識があるので、その後の行動喚起につなげやすくなります。
とはいえ、人前で話して、かつ、目的を達成するためには相当な準備と技量が必要になってきます。プレゼンテーション資料のブラッシュアップはもちろん、スピーカーも本番さながらのロールプレイを実施した上で臨むなど、質の向上に努めなければ成果に結びつきません。
また、ゴール設定として定番なのは、アンケートを収集して、興味がありそうな見込み客に個別アプローチ(無料相談会)するパターンですが、このアンケートや個別アプローチについても、セミナーの一部としてしっかりと磨き上げておく必要があります。
ウェビナー(Web+Seminar、オンラインセミナー)の登場により、会場費が圧倒的に削減されたこと、聴講者の範囲が全国に広がったこと、登壇者のスケジューリングが用意になったことなど、より使い勝手がいい売りかたになっていると言えるでしょう。
しかし、ウェビナーでは、聴講者が気軽に参加できるがゆえに、本気度が低い(テレビを観ながら流し見しているだけかも!)ことをはじめ、他にも画面操作の技術、カメラの精度、通信環境など、気にしなければならないことが増えましたので、注意も必要です。
セミナーを導入すべきなのは
セミナーは、商品・サービスの領域が先進的であったり、または話題となっている場合、専門的で顧客に一定のリテラシーを求める必要がある場合に特に有効です。また、社長のプレゼン技術や言い回しが優れているが、それが営業パーソンやマーケティングに伝播されていない場合も、営業支援の一環として導入しつつ、彼・彼女らの教育を同時に行うことができます。
さらに、自社の権威性や信頼性をアピールできていないことがネックとなっている必要な中小零細企業、創業間もない企業、個人事業主は、特にセミナーによるこれらの補完を検討してみてはいかがでしょうか。その際は、自社の顧客である程度知名度のある企業などにも登壇してもらったり、外部講師を依頼し、いわゆる客寄せパンダになってもらう手が使えます。
また、リアルで会場をおさえて実施するセミナーでは、予算の制約があり、万人向きとは言えませんが、ウェビナーであれば気軽に開催することができますし、ゲストを呼ぶ際も自宅やオフィスから短い時間、移動もなしで登壇してもらうことが可能です。
他方で、セミナーで採り上げるような内容について、自社内に知見・ノウハウが言語化されていないと、そもそも聴講者が聞きたいという内容が作れません。その場合は、社内勉強会をまずは実施して、社内の知見を棚卸ししてもらったり、新人研修用の資料をつくってもらったりすることをオススメしています。
セミナーの成功ポイント
セミナー導入の際は以下の点にご留意いただくと、成果が出やすいです。
①集客からその後のアプローチまでを1つのセミナーだと考える:セミナーの内容を一生懸命考えて、内容を練り、練習を繰り返したとしても、聴講者がいなければ話がはじまりません。また、終わった後に適切なアプローチを即時実施(鉄は熱いうちに打て!)できないと、成果に結びつくこともありません。集客から商機をつくるところまで意識的に計画・実行をしてきましょう。
②可能な限り録画しておく:内容の振り返りのため、また、2次的に広告やWebサイト上の動画として利用することができるので、内容は録画しておくことを推奨します。ウェビナーであればボタンひとつで可能ですが、リアルの場合ではカメラ設置などが必要なので、ダンドリをしっかりしておきましょう。
③資料は手元に紙で持っていてもらう:従来はほとんど紙の資料が配布されていましたが、最近は紙の削減のため、資料配布がないケースも増えてきました。特に、ウェビナーではスライドが画面に表示されるだけのケースが多いです。しかし、それでは印象に残りにくくなります。人は紙にメモをし、それが手元にあることで内容を思い出します。可能な限り紙で印刷し、手元に置いてもらいましょう。
④セミナー中に行動喚起をする:セミナーが終わってからアンケートを記入してもらうよう依頼するのと、セミナー中に「いまやってください」とアンケートを促すのとでは、回答率や内容はまったく違うものになります。個別面談の予約までセミナー中に取らせたいところです。また、それの下準備のため、セミナー中にはインタラクティブな要素(紙に書かせる、QRコードからアクセスさせる、ウェビナーなら投票機能を使う、など)を盛り込んでおきましょう。
⑤何度もやる:まったく同じ内容でも、内容を変えても構いませんので、何回も、何回も実施してください。最初のうちは聴講者がひとりでも構いません。そのうち上達してきたり、セミナー開催実績により聴講者が増えてくる、他のセミナーにお呼ばれする、ということが起きます。
セミナーをほかの売りかたと比較
セミナーを、よく比較される売りかたと並べてチェックしてみましょう。
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セミナーの導入・運用・改善にあたっての注意点
セミナーでは、以下の点にご注意ください。
①リハーサルを実施する:当日はどんなトラブルがあるか分かりません。しっかりと通しでのリハーサルを実施してから臨みましょう。また、ウェビナーの場合は文字が小さくて画質が粗いと(またはスマートフォンで観ていると)読めない、通信が集中して頻繁にフリーズしてしまう、といったことも起きます。
②内容を詰め込みすぎない:せっかくやるのだから、と、内容をあれこれ詰め込みすぎてしまうものですが、それでは効果は薄れます。むしろ、1セミナーでのねらい(=聴講者にとっての嬉しい未来)は絞りに絞っておきます。シンプルな本筋の中に、話の脱線があると興味を引かれます。
③細かいことを気にしすぎない:資料のてにをはや、講師の話のテンポなど、色々と気になってしまいますが、あまり指摘しないほうが賢明です。細かい点を気にしすぎると、ほとんど全ての方でパフォーマンスが落ちます。大勢の人の前(ウェビナーの場合は反応もいまいち分からない)で話すのは相当な集中力が必要です。熱意が伝わるよう、気分を高めてあげましょう。
④コンプライアンスに注意する:講師の発言内容はもとより、内容が機密情報の漏洩にあたらないか、著作権や肖像権侵害などにあたらないかは必ずチェックしてください。1対1の面談より注意が必要です。また、ウェビナーの場合は画面共有になれていなくて、個別顧客名の入った画面を投影してしまったりしますので、より注意してください。
セミナーの導入5ステップ
step.1 ゴール設定をする
集客人数からコンテンツとどんな行動喚起をするか、何件個別相談をするかなど、具体的かつ観測可能な目標を設定します。とくに、コンテンツは最後に考えればOKです。
step.2 会場をおさえ、集客をはじめる
リアルの会場、またはウェビナーURLを設定し、日程を確定します。必要に応じてチラシやFAX受付、申込みフォーム、ランディングページなどを準備しましょう。
step.3 内容をつくってリハーサルする
コンテンツはまず骨子、そして投影スライドなどをつくります。リハーサルが直前でなければ、資料はキレイなものでなくても構いません。ただし、スピーカーは本番だと思って通しで実行します。
step.4 本番を実施する
いよいよ本番です。できる限り、本番前日と3時間前などにリマインドを送っておきます。聴講者はうっかり忘れることが多々あります。
step.5 効果検証と改善を繰り返す
実施後、録画や計数をもとに、改善をしていきましょう。とはいっても、致命的な部分以外は気にしなくて構いません。どんどん回数を重ねていきましょう。
おまけ.スベらないダンドリシート
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セミナーに関してよくあるご質問
Q.コンテンツを考えるヒントはありますか? |
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A.社内勉強会を開催するか、既存顧客にアンケートをとってください。それらが難しい場合は、Web検索のキーワードなどから考える手もあります。 |
Q.ウェビナーアカウントの方がいいですか? |
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A.はい、それは間違いありません。ウェビナーアカウントとは、聴講者同士は誰が参加しているのか分からない形式のアカウントです。申込みフォームに「聴講者はお互い見えません」となっているだけで申し込み率が上がります。 |
Q.セミナーのウケが悪いのですが・・・ |
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A.ターゲットをいったん既存客に変えるか、外部講師などに依頼してください。ウケが悪いことそのものよりも、意気消沈して諦めてしまうことのほうが問題です。 |
Q.何パターンくらいあればいいですか? |
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A.1つでも構いません。多くても3つあれば集客という意味では十分です。クオリティの低い内容を量産するくらいなら、1つの話を、落語のように磨き続けたほうがいいです。 |
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