本当の意図はテストクロージング!アフターフォローにも有効。

ヒアリングシート

ヒアリングシートとは、見込み客の情報を、もれなく効果的に聴取するために用意されたテンプレートのこと。

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ヒアリングシートの概要

 ヒアリングシートは、本提案を実施する前にもれなく情報を取得し、提案を有意義なものにする、というのが表面的な意義ですが、実際は、ヒアリングの体裁を取りながら、「内部情報を話してもらう」「提案書のない提案」「期待値の調整」をしていかなければ十分な効果が発揮できません。

 ヒアリングシートを活用する上では、しっかりと時間を確保し、ひとつひとつ丁寧な質問を積み重ねます(ここでの丁寧とは口調ではなく、質問方法のことです)。また、尋問調を避け、折りに触れて会話を膨らませていくことで、見込み客が能動的に情報を開示しやすくなるよう努めましょう。

 成約または失注のあとのフォローにもヒアリングシートに記載された情報が有効に使えることが多いです。たった一度の機会に、今後、長期的に活用していける固有の情報を取得してください。また、取得した情報はしっかりデータ化し、社内の共有財産とします。

よくある失敗は、形式的な数値などは把握しても、その背景や見込み客の価値観、企業風土などが把握できなかったり、また、時間配分や事前準備の依頼が十分でなく、必要な情報を取得できずに終わるケースです。しっかり予行演習をして臨みましょう。

ヒアリングシートを導入すべきなのは

 ヒアリングシートは、見込み客の状況により、提案内容に幅を持たせることができる商品・サービスで、セールスチームを組織して販売するような高単価商材の場合は、特に有効です。また、分岐型のWebアンケートで簡易カウンセリングを実施するような場合も、その元となる情報として活用できます。

ヒアリングシートの利用により、提案前のヒアリングを仕組み化することができるだけでなく、見込み客に対しては一種のテストクロージングを実施することにもなります(提案を受ける気がなければヒアリングの場を持たない)。熟練すれば、ヒアリングシートが埋まったらすでにセールスの9割は完了している状態になります。

他方で、ヒアリングシート自体はただの紙でしおかないため、有効な使いかたについてはしっかりと練習しておく必要性があります。社内でロールプレイを実施したり、知見を集約しておきましょう。事務的に流れやすいフェーズとも言えるので、意義付けの勉強会を実施していくことも効果的です。

ヒアリングシートの成功ポイント

ヒアリングシートを導入の際は以下の点にご留意いただくと、成果が出やすいです。

 ①あえてかしこまる:見込み客との親密度が高まっているほど、なあなあになりやすくなるのがヒアリングです。あえてヒアリングシートを準備して臨むのは、そこからあえて一線を引き、提案前の心構えをしてもらうイミがあります。「聞きもらしてはご迷惑」と担当者が役職者を同行させることも有効です。

 ②秘匿情報を話してもらう:競合他社や他の場では話さないような情報を話してもらうことで、信頼関係が深まると言われています。そのためにも、見込み客がついつい話しすぎてしまうくらい緊張を解きながら進めましょう。

 ③提案の急所を確認しておく:ヒアリングシートを通じてのヒアリングは、本提案のリハーサルであると言っても過言ではありません。見込み客に刺さりやすいポイントや、反応が悪いポイントを探り、本提案前にネック解消に動きましょう。

④期待値を上げすぎない:ヒアリングシートを利用して収集した結果、自社が提供できる商品・サービスの内容を大きく超えるものを期待されてしまっては元も子もありません。期待感を高めつつも、現実的な内容に落とし込めるよう、調整をしていきます。

ヒアリングシートをほかの売りかたと比較

ヒアリングシートを、よく比較される売りかたと並べてチェックしてみましょう。

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ヒアリングシートの導入・運用・改善にあたっての注意点

ヒアリングシートでは、以下の点にご注意ください。

 ①書式を統一する:セールスチームのメンバーそれぞれが独自書式を利用していると、知見の集約ができず非効率になります。会社として書式を統一し、標準化を図りましょう。その上で、適度に余白か自由記入欄を入れ、柔軟性を欠かないようにもしておきましょう。

 コンプライアンスに留意:ヒアリングシートに記入した内容は、見込み客からすると個人情報・または企業秘密です。情報取得時に法令に配慮すること、万が一にも紛失・流出することのないよう十分に管理することが求められます。また、情報は会社の情報資産であり、従業員個人に私的利用させないなどの認識の徹底をしましょう。

ヒアリングシートの導入5ステップ

step.1  社内の知見を集約する

 まずは、セールスチームのヒアリング状況を把握し、どういった情報を取得する必要があるか、提案から逆算して検討します。また、それらは特定のシチュエーションによらず取得が可能かどうかもチェックしておきましょう。

step.2  たたき台を作成する

 step1では見落としがあることが多いため、いきなり大量印刷せず、たたき台の段階で試験的に運用します。勉強会を通じて使い方を周知した上で、全メンバーに同じものを使わせ、例外をつくらないようにします(必要に応じて自由記入欄をつくっておきます)。

step.3  印刷する

 自社のロゴなども記載して、正式な書式にします。ここでのきちんと感は、ヒアリングの成否において重要な要素となり得ますので、適当に印刷したものは避けましょう。

step.4  利用を開始する

 定着するまでは、ヒアリングシートをデータ化する等のプロセスを逐一チェックしましょう。必ずと言っていいほど形骸化するため、内容の深堀りを役職者から実施させます。

step.5  検証・改善する

 ヒアリングシートを活用してからの提案成否や、顧客・失注フォローの状況を確認し、有効性を確認しつつ、万が一、書式上に重大なヌケモレがある場合はすぐに対応します。それ以外では、運用(ヒアリングの仕方)の方で対応します。

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(外部リンクです。遷移先から取得してください)

ヒアリングシートに関してよくあるご質問

Q.Webフォームでもいいですか?
A.かまいません。ただし、その場合もオンライン会議や対面で、対話形式で聴取した方が効果は高まります。効率化とのバランスをみて導入しましょう。
Q.社内に知見がありません
A.まずは提案に必要な情報を列挙し、セールスのネックとなりやすいポイントを認識するところからはじめましょう。
Q.協力的でないメンバーがいます
A.理由を確認しつつ、ヒアリングシートの導入か、全訪問記録入力の徹底がいいかなど、より大変そうな選択肢を挙げてください。
Q.成約率が低いままです
A.ヒアリングシートに記載された内容が提案書に織り込まれているかを確認し、特に急所となるポイントについてどのようにセールストークが展開されるかを確認してください。

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ちょっとしたギモンから、本格的な検討まで、お気軽にご相談ください。

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