ポイントカードとは、商品・サービスの利用に応じて、割引・優待その他特典を付与する仕組みにおいて、商品・サービスの利用度合いや金券として利用できる額を記録するもの。
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ポイントカードの概要
ポイントカードは、利用金額の1%がそのまま金券として使えるデジタルポイントカードがイメージされますが、同様の仕組みとして、利用回数に応じてスタンプを押していって、10個たまったら特典をプレゼント、というスタンプカードもこちらで扱います。
ポイントカード導入の目的は主に、顧客の承認欲求をくすぐってファン化を促す、または、損失回避の心理を利用して、顧客離れを防ぐ、という点にあるでしょう。機械的な損得よりも、感情面にスポットを当てて検討しましょう。
利用金額や度合いに応じてカードの色を変えるなどグレードが上がったり、還元率が上がったりするなど、既存客の待遇に差をつけることができます。これにより、購買意欲を加速させ、よりファン化を進めることができます。
さらに、デジタルポイントカードの場合は、購買の時間が空いたときに、「アンケート回答でポイントをプレゼント」する施策により、デジタルクーポンのような購買喚起を実施することも可能です。
ポイントカードを導入すべきなのは
ポイントカードは、商圏内にライバルが多かったり、品質に差がつきにくい商品・サービスで、かつ、継続的に購入してもらいたい場合は特に有効です。また、メイン商品は継続課金型で、高粗利なバックエンド商品は売り切り型である場合、フロント商品への課金毎にポイントが貯まるようにして、バックエンド商品の購入を促すという使いかたも有効です。
しかしながら、還元したポイントや特典の管理、そもそもの予算組みなど、どのような内容にするかによっては、資金力を必要としますのでご注意ください。スモールビジネスの場合は、スタンプが10個貯まったら特典やオリジナルノベルティなどのプレゼント、の方が導入しやすいでしょう。
ポイントカードの成功ポイント
ポイントカードを導入の際は以下の点にご留意いただくと、成果が出やすいです。
①グレードをつくる:既存客の承認欲求を満たしつつ、実利でも還元することによる顧客のファン化、という点では、少なくとも2つ以上のグレードをつくった方がいいでしょう。(クレジットカードがその最たる例です。)スタンプカードの場合でも、2枚目からはデザインや押せる個数を変えるなどの工夫ができます。
②高還元はキャンペーンで実施する:買う気はあるが、期限を設定されないと行動に移さない、待機客を一斉に購買に向かわせる、強力な手です。倍率を固定して期限のみ定めるパターンのほか、倍率自体が抽選で変動するといったパターンもあります。ただし、頻繁に実施してしまうと、買い控えを誘発してしまうので注意が必要です。
③有効期限切れの案内をする:損失回避の法則により、少しの権利でも、失うのはイヤなものです。事務的な案内を装って、有効期限まで1ヶ月を切ったポイントが何ポイントあるか(またはこれまで押した◯個のスタンプがムダになる)という形で、購買行動に期限を設定しましょう。
④使い切らせない:100円相当でも、ポイントが残っていることが、他社乗り換えへのハードルや再購入へのきっかけをつくります。スタンプカードの場合でも、わざと割り切れない(スタンプは3個ずつ押すが、枠は10個など)ようにして、必ず手元にポイントやスタンプが残るようにしましょう。
⑤顧客情報を収集する:ポイントカード作成時や一定期間経過後などで、購買行動とひもづけた顧客情報をアンケートやカルテで収集します。これにより、自社のロイヤルカスタマーがどのような属性を持つかを把握でき、マーケティングに活かすことができます。
ポイントカードをほかの売りかたと比較
ポイントカードを、よく比較される売りかたと並べてチェックしてみましょう。
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ポイントカードの導入・運用・改善にあたっての注意点
ポイントカードでは、以下の点にご注意ください。
①オペレーション負担に注意:特典やポイント自体の管理、有効期限管理、値引き処理のオペレーションが発生します。グレードをあまりに細かく分けすぎてしまったり、商品・サービスごとに還元率を変えるなどしてしまうと、その管理負担だけでも膨大になりますので注意が必要です。また、再発行時の規約にも注意しましょう。
②資金管理に注意:特典や金券利用での売上は通常よりも少なくなるため、その分キャッシュインが減ります。手元の資金に注意して運用しましょう。特に、金券扱いのポイント残高が大きい場合は、債務として扱う必要があるかなどを税理士に確認しておきましょう。
③特典はケチらない:一定基準を達成してくれるロイヤルカスタマーがどのくらいの割合いるでしょうか?そうしたお客さまを1人新たに獲得するためにいくら販促費がかかるでしょうか?それを考えると、チープな特典でガッカリさせない方がいいでしょう。
④予算をしっかり組んでおく:ポイントシステムを導入すること自体にも、まとまった費用がかかることが多いです。パッケージでの導入ではカスタマイズが制限されますし、オンプレミス(自社専用)での導入では多額のコストがかかります。
⑤気軽にやめられない:付与しているポイントの総額がゼロになることはありえません。ポイントカード廃止の場合でも、その時点から一定の有効期限を確保しておいた方が、風評リスク上は賢明です。そうすると、それまでポイントを管理し続けなければならず、ランニングコストはすぐに減らせません。
ポイントカードの導入5ステップ
step.1 ゴール設定と計数を計画する
ポイントカードを導入して、何を強化したいかの目的を明確にしてからはじめましょう。複数出てくると思うので、優先順位をつけておきます。そして、全体の予算も含めた計数計画を立てておきましょう。
step.2 内容を決める
どんな内容にするかを決めます。[還元率・特典の内容・外観・付与条件など]です。とはいえ、やってみないと分からない部分もあるので、可能であれば、1商品のみや1店舗のみなどで簡易的にテストやシミュレーションをしてみるのもオススメです。
step.3 制作する
ポイントシステムを構築していきます。複数見積もりを取得すると思いますが、自社のやりたいことができるかに加え、保守やサポート、追加開発の費用なども確認します。また、紙のスタンプカードではデザインと印刷をしますが、部数に注意してください。
step.4 運用を開始する
実際に運用開始したら、不具合時のオペレーションなどをケアしておきましょう。あとは、原則として、購入した全顧客に周知し、可能な限り多くの顧客にポイントを付与しておくようにしましょう。
step.5 検証・改善とフォローをする
ポイントカードで検証すべき項目は多岐にわたります。一例を挙げると[実質ポイント還元率・ポイント使用率・ポイント使用商品の割合・特典引換数・キャンペーン時の反応率・導入前後での購入単価の比較]などです。
おまけ.スベらないダンドリシート
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ポイントカードに関してよくあるご質問
Q.還元率の相場が分かりません |
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A.ビジネスモデルや市場の成熟度によります。市場がまだ未開拓な状態で、先行してユーザーシェアを取ることの優先度が高いなら高還元で構いません。成熟市場で他社競合が多いなら足並みを揃えて、まずは顧客離れを防ぎ、ここぞというときにキャンペーンで高還元にしましょう。 |
Q.モールでやっているのですが、自社で必要ですか? |
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A.自社は金券ではなく特典にしましょう。モールの付与する共通ポイントには勝てません。還元率で頑張っても体力の浪費です。それよりも、より的を絞り、ファン顧客向けのオリジナル商品プレゼントや先行販売招待券などにしておき、公式買いのメリットをつくりましょう。 |
Q.デジタルの方がいいですよね? |
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A.顧客の買い方によります。例えば、法人向けで、法人カードや後払い購入が多い場合は、購入担当を選ばないように紙またはプラスチックカードが適当ですし、従業員による立替買いが多い場合は、デジタルのみにして、個人へのポイント付与しか出来ないようにしておくと、自社が選ばれやすくなります。 |
Q.高還元な方がいいですよね? |
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A.そうとも限りません。一般的に、ポイントや値下げ幅にインセンティブを感じるユーザーは離れやすいです。還元率を機械的にみるのではなく、やはり、商品・サービス自体に価値を感じているファン顧客が何に喜ぶかをしっかり考えてください。 |
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